- 9月 27, 2025
神経因性膀胱とは?尿が出ない・残尿感でお困りの方へ
院長ブログをお読みいただきどうもありがとうございます。やすだ泌尿器科クリニック院長の安田宗生です。
「トイレに行っても尿が出にくい」「残尿感がいつもある」「すぐにトイレに行きたくなる」――こうした症状に悩まれていませんか?
その原因のひとつに神経因性膀胱(しんけいいんせいぼうこう)があります。
神経因性膀胱は、脳や脊髄、末梢神経などの障害によって膀胱の働きが正常にコントロールできなくなる病気です。進行すると尿閉(まったく尿が出ない状態)や腎機能障害につながることもあるため、早めの受診と適切な治療が大切です。
本記事では、神経因性膀胱の原因・症状・治療法について、日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医が詳しく解説します。
■神経因性膀胱とは?
通常、膀胱は脳や脊髄からの神経の指令を受けて、尿をためたり出したりする働きを調整しています。
しかし、神経に障害が生じるとこの調整がうまくいかず、次のような状態になります。
・膀胱に尿をためられず、頻尿や尿失禁が起こる
・膀胱の収縮が弱く、尿を出しきれずに残尿感が続く
・まったく尿が出なくなる(尿閉)
このように、排尿がコントロールできなくなる状態をまとめて「神経因性膀胱」と呼びます。
■原因となる病気
神経因性膀胱の背景には、さまざまな病気があります。
・脳梗塞・脳出血 … 脳からの指令が途絶えることで排尿障害が起こる
・脊髄損傷・脊椎疾患 … 交通事故や加齢による変性で神経が障害される
・多発性硬化症・パーキンソン病 … 神経の進行性疾患によるもの
・糖尿病性ニューロパチー … 長年の糖尿病で末梢神経が障害される
※特に糖尿病は日本でも患者数が多く、神経因性膀胱の原因としてよく見られます。
●神経因性膀胱の主な症状
神経因性膀胱では次のような症状が出ます。
・尿が出にくい
・トイレに行っても出きらない感じが残る(残尿感)
・頻尿、夜間頻尿(すぐにトイレに行きたくなる)
・尿失禁(尿もれ)
・まったく尿が出ない(尿閉)
これらの症状は「加齢のせい」と思われがちですが、放置すると腎臓へ悪影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。
◆放置するとどうなる?
尿が十分に排出できない状態が続くと、以下の合併症が起こることがあります。
・膀胱炎・腎盂腎炎 … 尿路感染症を繰り返す
・水腎症 … 尿が腎臓に逆流して腎機能が低下
・腎不全 … 最悪の場合、透析が必要になることも
つまり、単なる排尿の不快感にとどまらず、全身の健康に影響する病気なのです。
■神経因性膀胱の診断方法
泌尿器科では、症状の問診に加えて以下の検査を行います。
・残尿測定(エコー検査で膀胱にどれだけ尿が残っているか確認)
・尿流量測定(尿の勢いを調べる検査)
・尿検査(感染や血尿の有無を確認)
・必要に応じ画像検査(CT・MRI)※脊椎や脳の異常を調べる場合
これらを総合的に評価し、神経因性膀胱かどうかを診断します。
■神経因性膀胱の治療方法
① 薬物療法
・膀胱をリラックスさせる薬(抗コリン薬、β3受容体作動薬)
・膀胱の収縮を助ける薬
② 自己導尿(間欠自己導尿)
尿が出にくく残尿が多い場合、最も有効とされるのが自己導尿です。
カテーテルを用いて定期的に膀胱の尿を出し切る方法で、残尿をなくし、腎臓や膀胱を守ることができます。
当院でも自己導尿の指導を行っており、患者様ご自身が清潔に行えるよう丁寧にサポートしています。
③ 外科的治療
重症例では手術によって膀胱の機能を改善する場合もあります。
■自己導尿のメリット
・感染や腎障害のリスクを減らせる
・排尿の不快感(残尿感・尿閉)から解放される
・日常生活の質(QOL)が大きく改善する
自己導尿は「痛そう」「難しそう」と不安に思う方も少なくありませんが、実際には慣れると数分で行えるようになります。
●当院でのサポート体制
当院では、神経因性膀胱に対して以下のような体制を整えています。
・泌尿器科専門医による丁寧な診察
・超音波検査による残尿量の測定
・一人ひとりに合った自己導尿の指導
・感染予防や生活習慣に関するアドバイス
「尿が出にくい」「残尿感が続く」「すぐにトイレに行きたくなる」といった症状がある方は、我慢せずに一度ご相談ください
まとめ
💡神経因性膀胱は、脳・脊髄・末梢神経の障害で起こる排尿障害
💡尿が出ない・残尿感・頻尿・尿失禁といった症状が出る
💡放置すると腎機能障害や感染症につながる危険性がある
💡治療は薬物療法・自己導尿・手術などがあり、当院では自己導尿の指導も行っている
尿のトラブルは「恥ずかしいから」「年齢のせいだから」と放置されがちですが、早期に治療を受ければ生活の質を大きく改善できます。
👉 尿が出にくい、残尿感があるとお悩みの方は、ぜひ大阪府門真市の【やすだ泌尿器科クリニック】までご相談ください。
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