• 10月 9, 2025
  • 10月 11, 2025

健康診断でわかる泌尿器科領域の病気とは?

腎臓・尿路に関わる検査数値の解説

院長通信をお読みいただきどうもありがとうございます。やすだ泌尿器科クリニック院長の安田宗生です。本記事では、『健康診断でわかる泌尿器科領域の病気とは?』について日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医が詳しく解説します。

健康診断は生活習慣病のチェックだけでなく、泌尿器科の病気を早期に見つける大切な機会でもあります。特に腎臓や尿路は自覚症状が出にくく、検査数値の異常から病気が発見されるケースが少なくありません。

●健康診断で泌尿器科と関連する主な項目

健康診断には血液検査・尿検査・画像検査などがあります。その中で泌尿器科の病気に直結するのが以下の項目です。

・尿検査(尿たんぱく・尿潜血・尿糖・尿沈渣)
・血清クレアチニン(Cr)・推算糸球体濾過量(eGFR)
・尿酸値(UA)
・血糖・HbA1c
・血圧測定
・超音波(エコー)検査

それぞれの検査がどのように泌尿器科疾患と関わるのか、詳しく見ていきましょう。

◆尿検査と泌尿器科の関わり

  1. 尿たんぱく

尿にたんぱくが出る状態は 腎臓のフィルター機能(糸球体)に障害 があることを示唆します。慢性腎臓病(CKD)の初期サインであり、高血圧や糖尿病と密接に関連します。

  1. 尿潜血

尿に血液が混じっているときに陽性となります。目に見えない「顕微鏡的血尿」でも、膀胱がんや腎臓がん、尿路結石など重大な病気が隠れている場合があります。

  1. 尿糖

尿に糖が出ている場合は糖尿病が疑われます。糖尿病は腎臓病(糖尿病性腎症)や尿路感染症のリスクを高めます。

  1. 尿沈渣

尿を顕微鏡で観察し、赤血球・白血球・細菌・結晶などを調べます。腎炎や尿路感染症、結石の有無を知るヒントになります。

◆血液検査と腎機能の指標

●血清クレアチニン(Cr)

筋肉から生じる老廃物で、腎臓が正常に働いていれば尿に排泄されます。血液中のクレアチニンが高いと、腎機能低下を意味します。

●eGFR(推算糸球体濾過量)

血清クレアチニンの値に年齢・性別を加味して計算される指標です。

・eGFR 90以上:正常
・eGFR 60~89:軽度低下
・eGFR 30~59:中等度低下
・eGFR 15~29:高度低下
・eGFR 15未満:腎不全

日本ではCKD(慢性腎臓病)の判定に必須の項目です。


◆尿酸値(UA)と泌尿器科の関係

尿酸値が高い状態(高尿酸血症)は痛風のリスクになるだけでなく、尿路結石の原因にもなります。結石は強い腰背部痛や血尿を引き起こし、再発しやすい病気です。健康診断で尿酸値が高めの方は泌尿器科でのチェックが勧められます。

◆血糖・HbA1cと腎臓病

糖尿病は腎臓の細い血管を傷つけ、腎症を進行させます。日本で透析治療が必要になる原因の第1位は糖尿病性腎症です。健康診断で血糖やHbA1cの異常を指摘された場合は、泌尿器科で腎機能も確認しておくと安心です。

◆血圧と腎臓病

高血圧は腎臓に強い負担を与えます。また逆に、腎臓病が高血圧を悪化させる悪循環に陥ることもあります。健康診断で血圧が高い方は、腎機能の評価についても注意するようにしましょう。

◆超音波検査(腎エコー・膀胱エコー)

健康診断のオプションとして行われることもある検査です。腎臓の形や大きさ、腎結石や腫瘍の有無、膀胱に残尿があるかなどがわかります。痛みや被曝がなく、安全に受けられるのが特徴です。

◆PSA検査(前立腺特異抗原)

PSA(ピーエスエー)検査は、前立腺から分泌されるたんぱく質の値を血液で測る検査です。前立腺がんの早期発見に役立つ最も重要な項目の一つです。

基準値は通常 4.0ng/mL以下 ですが、年齢によって少しずつ目安が異なります。値が高いと必ずしも前立腺がんというわけではなく、前立腺肥大症や前立腺炎でも上昇することがあります。

50歳以上の男性や、排尿トラブルのある方は定期的に受けることが推奨されます。
特定健診、人間ドッグなどのオプションでPSA検査を選ばれる方も多いですが、数値以上を指摘された際は泌尿器科での精密検査が必要です。

●健康診断で異常を指摘されたら医療機関を受診しましょう

腎臓は一度悪くなると元に戻らない臓器
腎臓は血液をろ過して老廃物を排出し、体のバランスを保つ大切な臓器です。しかし、腎臓は一度機能が低下すると元に戻ることがほとんどありません。
初期には自覚症状がなく、気づいたときには病気が進んでいることもあります。

だからこそ、健康診断で「尿たんぱく」や「クレアチニン」「eGFR」の異常を指摘された場合は、早めに泌尿器科での精密検査や生活習慣改善が重要です。腎臓病を進行させないためには、早期発見と継続的な管理が何よりも大切です。当院での精密検査の結果、より専門的な治療が必要な場合、提携医療機関や高次医療機関へ連携いたします。

大阪ににお住まいの方で、このブログ記事にあるような「数値の異常を指摘された方」、「不安のある方」は、【やすだ泌尿器科クリニック(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医)】へご相談ください。

●まとめ

・健康診断は泌尿器科疾患の早期発見に重要
・尿検査では尿たんぱく・尿潜血が特に重要
・血清クレアチニンやeGFRで腎機能を評価
・尿酸値の異常は尿路結石のリスク
・糖尿病や高血圧は腎臓病と深い関わりがある

健康診断で上記の異常を指摘されたら泌尿器科を受診することが安心

FAQ(よくある質問)

Q1. 健康診断で「尿潜血あり」と言われましたが、痛みはありません。受診すべきですか?
A1. 痛みがなくても、腎臓や膀胱の腫瘍、結石などの病気が隠れていることがあります。早めの泌尿器科受診をおすすめします。

Q2. eGFRが60を切ったらすぐに透析が必要ですか?
A2. いいえ。eGFRが60未満でもすぐ透析が必要というわけではありません。ただし慢性腎臓病(CKD)の可能性があるため、生活習慣の改善や定期的なチェックが必要です。

Q3. 尿酸値が高いとすぐに結石になりますか?
A3. すぐに結石ができるわけではありませんが、リスクは高まります。水分摂取や食事改善が予防に有効です。

Q4. 健康診断の結果を持参すれば泌尿器科で診てもらえますか?
A4. はい。検査結果を持参していただくことで、より正確な診断・アドバイスが可能です。

👉 大阪で健康診断結果に関するご相談、腎臓・泌尿器に関する検査や治療は、日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医 が診療する【やすだ泌尿器科クリニック】までお気軽にご相談ください。

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