- 10月 26, 2025
慢性膀胱炎とは?原因・症状・治療法を泌尿器科専門医が解説
「何度も膀胱炎をくり返してしまう」「抗生物質を飲んでもすぐ再発する」——
このような症状がある場合は、慢性膀胱炎(まんせいぼうこうえん)の可能性があります。
大阪でも多くの方が悩んでいる疾患の一つで、特に女性に多く見られます。
この記事では、慢性膀胱炎の原因・症状・検査・治療法について、泌尿器科の立場からわかりやすく解説します。
■慢性膀胱炎とは
慢性膀胱炎とは、膀胱の粘膜に慢性的な炎症が続く状態のことを指します。
急性膀胱炎のように突然の痛みや発熱を伴うことは少なく、
「軽い違和感」「頻尿」「尿がにごる」といった軽い症状が続くのが特徴です。
中には自覚症状がほとんどないまま進行するケースもあり、
定期的な尿検査で初めて発見されることもあります。
●急性膀胱炎との違い
| 比較項目 | 急性膀胱炎 | 慢性膀胱炎 |
|---|---|---|
| 主な症状 | 排尿痛・血尿・発熱 | 頻尿・違和感・無症状のことも |
| 経過 | 短期間で治癒することが多い | 数か月〜長期間続く |
| 原因菌 | 大腸菌などが多い | 抗生剤耐性菌や基礎疾患が関与 |
| 再発 | 少ない | 繰り返しやすい |
慢性膀胱炎は、急性膀胱炎を何度も繰り返すうちに移行することが多く、
放置すると腎盂腎炎などに進展するおそれもあります。
●慢性膀胱炎の主な原因
- 慢性膀胱炎は、以下のような要因が重なって起こります。
- 細菌感染の再発(抗生物質が効きにくい菌による感染)
- 糖尿病などの基礎疾患(尿糖が増え、細菌が繁殖しやすくなる)
- 残尿感・排尿障害(前立腺肥大症・神経因性膀胱など)
- ストレスや過労、冷え、ホルモンバランスの乱れ
- 自己判断での服薬中断や市販薬の使用 など
特に女性は尿道が短く、膀胱まで細菌が届きやすいため、20代〜更年期以降の女性に多くみられます。
●慢性膀胱炎の主な症状
- 排尿時の違和感や軽い痛み
- 尿がにごる、白っぽい、においが強い
- 頻尿(昼・夜ともにトイレの回数が多い)
- 下腹部の重だるさや違和感
- 微熱、倦怠感
- 自覚症状がないが尿検査で白血球や潜血が出る など
症状が軽いため放置されやすいのが特徴ですが、
「痛みがなくても慢性膀胱炎であることがある」ため注意が必要です。
●検査方法
泌尿器科では以下のような検査を行います。
- 尿検査:白血球や細菌の有無を調べます
- 尿培養検査:原因菌と薬剤の効きやすさ(感受性)を確認
- エコー(超音波検査):残尿の有無や膀胱壁の肥厚を確認
- 膀胱鏡検査:膀胱粘膜の炎症やポリープの有無を確認(必要に応じて) など
原因菌が特定できれば、最も効果的な抗菌薬を選択することができます。
●治療法
◆抗菌薬治療
尿培養検査の結果に基づき、感受性のある抗菌薬を適切な期間服用します。
中途半端にやめると再発の原因になるため、医師の指示に従うことが大切です。
◆漢方薬の併用
体質改善や再発予防を目的として、猪苓湯(ちょれいとう)や五淋散(ごりんさん)などの漢方薬が用いられることもあります。
冷えやストレスが関与している場合にも有効なことがあります。
◆基礎疾患の治療
糖尿病や前立腺肥大症などが原因の場合、それらの治療を並行して行います。
根本的な原因にアプローチすることで再発を防ぎます。
●生活習慣で気をつけたいこと
- 水分をしっかり摂る(1日1.5~2リットルを目安に)
- 排尿を我慢しない
- 下半身を冷やさない
- 性交渉の後は早めに排尿する
- 規則正しい生活・十分な睡眠
- ストレスをためない など
また、市販薬やサプリメント(クランベリーなど)は補助的に用いることはあっても、
根本的な治療には必ず泌尿器科受診が必要です。
●放置するとどうなる?
慢性膀胱炎を放置すると、以下のようなリスクがあります。
- 腎盂腎炎など上部尿路感染症へ進行
- 膀胱の機能低下(過活動膀胱、残尿増加)
- 尿路結石や膀胱腫瘍との鑑別が遅れる
特に発熱・腰痛・血尿などの症状が出た場合は、
すぐに医療機関を受診しましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 慢性膀胱炎は治るのでしょうか?
適切な治療を行えば多くは改善します。再発を防ぐため、原因の特定と生活改善が大切です。
Q. 非細菌性の慢性膀胱炎とは?
尿中に菌が検出されないタイプで、ストレスや自律神経の乱れ、間質性膀胱炎などが関係する場合があります。
Q. 漢方薬は効果がありますか?
体質に合えば再発予防に役立つことがあります。医師に相談のうえ処方を受けてください。
Q. 症状がないのに検査で膀胱炎と言われました。
自覚症状がなくても膀胱炎が持続している場合があります。放置せず、治療を受けることが重要です。
まとめ:早めの泌尿器科受診が大切です
慢性膀胱炎は「軽い症状だから」と放置すると、長引いたり再発をくり返したりします。
自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、
泌尿器科で原因を調べ、的確な治療を受けることが完治への近道です。
泌尿器科専門医が、尿検査やエコーで原因を特定し、再発を防ぐ治療を行います。
大阪で慢性膀胱炎の症状にお悩みの方は、お早めにご相談ください。
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