当院では内服薬による治療に加え干渉低周波治療器を導入しております。症状を緩和するだけでなく根本的な治癒を目指します。
神経因性膀胱は、排尿をコントロールしている脳や脊髄、末梢神経に支障を来たすことによって発症します。脳の障害では、脳出血、脳梗塞、認知症、パーキンソン病、頭部外傷などが挙げられます。脊髄関連では、脊髄損傷、脊椎疾患(椎間板ヘルニア、頚椎症など)があります。また、糖尿病性神経障害や腰椎分離症、子宮がん・直腸がんの術後合併症としても起こりうるのです。
神経因性膀胱が長期にわたり続いた結果、膀胱尿管逆流症を併発し両側水腎症(腎臓に尿がたまっている状態)を合併しています。この状態が長期間続くと腎機能の増悪に至ります。
写真の症例は、内科で過活動膀胱の薬を処方されている状態でした。
困ったことに、神経因性膀胱の患者さんは、尿意も鈍化しており残尿多量な状態に気づかない患者さんも多いです。
神経因性膀胱の治療では、まずは薬物療法を行い、排尿量の確保を目指します。しかし、現在、過活動膀胱の薬は沢山種類が増えておりますが、神経因性膀胱の薬は種類がかなり少ない状態です。よって、内服で効果が不十分であれば間歇的自己導尿を指導します。基本的に、両腕が問題なければ自己導尿はできます。
当院でも、自己導尿ができず受診されれば、できるようになるまで何度も指導しております。
結果的には、ほとんどの方が自己導尿を行っております。
ただし、糖尿病など神経因性膀胱を引き起こすきっかけとなっている原疾患を改善させることも大切です。